藤門会について
藤門会が発足したのは、昭和48年1月からのことである。千葉大学眼科学教室付属の「生薬研究室」勤務の薬剤師の先生から、東京練馬で漢方の講義を、とたのまれて、まあやってみましょうと引き受け、練馬のH氏宅におもむいたのであった。
この集まりは、早くから漢方を志した薬剤師のH氏がジェーピーエス製薬の漢方部門を担当されていて、全国各地の漢方志向の薬局に出向かれ、指導してこられた。その数が相当になったので、ここらで適当な講師を招いて、系統的な講義を受けることにしたほうがよいのではないかと考えられ、仲間の人たちと相談の上、2、3の人に打診した結果、その矢が私に当たったという次第なのである。
はじめはジェーピーエス製薬関係の薬剤師さんだけであったが、時が経つにつれて、医師、鍼灸師の人たちも参加されてきた。
この会のバックボーンが、私の恩師、奥田謙蔵先生の古方によってつらぬかれているので、これまたいきおい古方的治験すなわち日本伝統の漢方によるものが多くなるであろう。
『傷寒論』をしっかりと基礎にふまえた日本伝統の漢方は、現在中国で行われている中医学と並んで、その優劣をいずれとも決し難いと思われるほどに優れた漢方医学である。
だからといって、あえて古方に限らず、後世方、中医学、場合によっては民間療法をも取り入れることがあるはずである。私どもの会員は、一定のらちからは出でまいとするような、狭量さは持たぬ人たちであるからである。真に治療に役立つことを経験すれば、進んでそれを紹介していくことになるのが当然である。
『藤門医林』第1号
「創刊によせて」藤平健
より抜粋
会長あいさつ
藤門会へのお誘い
日本最高峰の漢方の勉強会グループでの学びを待っております
藤門会会長 並木隆雄
藤門会は故藤平健先生を中心に古方漢方を志す先生方により発足しました。昭和48年の創立以来勉強会を行い、最近では、古方を中心にした漢方だけでなく、中医学も含むシンポジウムの開催や国際的な交流など積極的な活動を続けています。
もし、短い言葉で藤平先生の教えを表現すると、恩師の奥田謙蔵先生が生涯をかけて研究された『傷寒論』をさらに発展させたことにほかなりません。ですので、藤門会の学びの中心は『傷寒論』です。今更『傷寒論』だけを勉強するの?と考える向きはあると思いますが、その成立したころと人類の遺伝子はそれほど変わっていないであろうし、病の多くが共通していることを考えれば、多くの臨床から導かれたその洞察は無視できないものがあり、瞠目に値すると個人的には考えています。とはいえ、広く漢方医学を見渡せば、多くの古典があり、多くの治療の考え方・方法がありますので、『傷寒論』のみに固執しない勉強会です。
今回、新しい会員が入会しやすい会費システムにしました。また、ホームページも、毎月の行事がわかるように変えていきます。初心者のための入門講義も設けていますので、ぜひ、多くの方々の入会をお待ちしています。
藤門会事務局
e-mail:shonisitagau@tomonkai.com
会員紹介
2016年12月17日 藤門会国際交流シンポジウム「附子剤」より